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『パラサイト 半地下の家族』感想まとめ

#映画 #感想

TwitterとScrapboxに書いた感想のまとめです。

『パラサイト』を観ます。 2020-06-29 17:30:44

ここが『パラサイト』鑑賞後の世界か。 2020-06-29 19:58:38

みんなでせーので『パラサイト』の感想言い合いっこしよ! いくよ! せーのっ!「不穏」 2020-06-29 20:10:24

『家族を想うとき』と『パラサイト』を続けて鑑賞したの、とくに意図したわけではなく上映スケジュールがちょうどよかったからなんですけど、結果として神がかり的ウルトラCが決まった感じありませんか? こういうことがあるから映画館での映画鑑賞は最高。 2020-06-29 23:50:42

いやすごいな。「不穏」。ずっっっと不穏だった。すごかった。132分っていうちょい長めの上映時間でここまでくまなく不穏にできるんだな。緩急はありつつも端から端まで緊張感があって気疲れした。鑑賞後の満足感がすごい。面白すぎる。「まいりました」という感じ。

不穏さの表現にバリエーションがあり、神経をすり減らされつつも楽しんだ。コンクリートの壁に挟まれた道を帰る家族の後ろで、その壁が雨に濡れて、まるで血が垂れるみたいにどす黒く湿っていくとか。チリソースをピザにかけるところを真俯瞰で撮って、血だまりを連想させるとか。音の効果もすごかった。詳しくは覚えてないけど割と序盤から不穏な半音が流れてて「早くねえ!?!!?」って思いながら観てた。

自分なりに「この後はこういう展開になるのかな」「実はこういうことだったり?」って想像しながら観てたんだけど、そんな薄っぺらいもんで太刀打ちできる物語じゃなかった。「うわ、そういうことか」が何回訪れたか分からない。「どんでん返し」という修飾がひどくちっぽけに感じられるようなうねり。

先の不穏さの表現も含め、格好良いカットがたくさんあったのも良かった。

ただし。映像作品の構図を褒めるとき、よく「絵になる構図」とか「どこを切り取っても美しい」とかって言うけど、この映画にはそういった賛辞がややそぐわない気もする。完成された構図ではあるんだけど、美しいとはまた別というか。生臭くて、不穏で、不審で、比喩でなく(笑)汚いものをこれ以上ないほど格好良く見せるとこうなるのだな……みたいな。

特に、後半で大雨による浸水が起きたとき、汚水が噴き出す便座に座ってタバコをふかし始めるギジョンが格好良くてしびれた。クソ汚い(クソだけに)シーンなのになんであんなに格好良いんだ。

韓国にしかできない北朝鮮ジョークはずるすぎると思った! いやこれずるいな〜! ていうか笑っていいのかこれ! ってそわそわしながらも結局我慢できなくて笑った。北朝鮮のアナウンサーの独特な口調、ジョークにしていいんだね(ダメかもしれんけど)(ていうかダメそうだけど)。

経済格差、もちろん韓国国内の深刻な社会問題でもあるんだけど、他の多くの国が抱えている普遍的な問題でもあって、それがまた作品の評価につながったんだろうなと思う。もちろん本作のような事件性はないにしても、少なからず共感できるというか。