交差点の話

#散文

交差点に名前がついていると知ったのは、幼稚園児か小学生の頃だったと思う。

当時は宮崎に住んでいて、年に数回、鹿児島の祖父母宅へ車で帰省していた。4時間ほどかかるその道中はだいぶ暇で、兄と謎の遊びを考えたり寝たり車酔いしたりしながらなんとかやりくりしていたんだけど、ふとした折、信号機の下にくっついたプレートに気づいて、「この『場所』に名前があるんだ」とびっくりした。日本じゅうの交差点ぜんぶに名前がついてるんだろうか、いやまさかそんなはずは、でも、と、内心ぞわぞわしながら考えていた記憶がある。

まだまだ幼かった当時の自分にとって、日本はとてつもなく広くて、その日本にある交差点にあまねく名前がついているなんてとても信じられなかったんだと思う。夜空を見上げて、星ひとつひとつについて考え始めるとそのスケールのでかさに頭がくらくらする、あの感覚に近い。

というような記憶を、きょう車を運転しながら振り返っていたんだけど、今考えると、地球に住んでる70億人にみんなそれぞれ名前がついているんだから交差点に名前つけるくらい余裕だよな、と思った。

気になったので警察白書をひいてみたら、信号機は20万機ほどあるらしい(※平成24年度末現在)。20万ならやっぱり余裕っぽい。

というか、警察白書とか人生で初めて読んだ。そのことが面白くて、今ちょっとにやにやしてる。