2026-05-09

夢。地面にへたり込んで目を伏せる男子学生の肩を掴んで、言い募っていた。

「勉強が苦手だって思ってても自分に自信がなくても、やるんだよ。自分の倫理で判断して行動すんの。みんなそうやってんだよ。そういうことでしか変わらないんだよ世界は」

起きたあとしばらく、目を見開いたまま動けなかった。

わたしは自分の意見を言うのが苦手で、頭の中で主張を組み立てるのにも時間がかかる。「あの時わたしが言いたかったのってこういうことだったんだな」と分かるのが1年後、とかも珍しくない。夢の中のわたしはもっとひどくて、たいてい何も言えずまごまごするだけで終わる。たまに大声を上げる夢も見るけど、内容は支離滅裂か汚い罵詈雑言で、まともな文章になっていたためしがない。でも今日の夢は違った。目が覚めたあと衝撃で動けなくなるほど、喋れていた。

覚えているのはあの場面だけで、前後関係は分からない。男子学生が誰なのかも心当たりがない。なんでわたしがああいうことを言っていたのか、なんで必死に訴えるような語調だったのかも覚えていない。そして、このわたしが、なんで一度もつっかえず、言葉に迷うこともなくあれを言えたのか、それが一番分からない。なんなら今思い出せるのがあの台詞というだけで、もっとたくさん喋っていた記憶さえある。まるでわたしじゃないみたいだったけど、確実にわたしだった。他の誰かの視点で進む夢を見たこともあるけど、今日のは絶対わたしだった。

言っていた内容も、わたしの価値観と合致している。ずっと考えてきたことが積み重なって凝縮されて、結晶化したとでもいうんだろうか。それにしたって、あんなにすらすらと? そんな夢みたいな事ある? いや夢の話なんだけど。

「あの時わたしが言いたかったのってこういうことだったんだな」と分かるのが今日で、それが今回はたまたま夢の中だったということなのかな。たまに聞く「夢の中で啓示を受けた」とか「“降りて”きた」みたいなのもこういう感覚に近いんだろうか。だとしたら結構すごい体験をしたことになる。きっと今朝のことを折に触れて思い出すんだろうな。

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