2026-04-18
朝一でクリーニング屋さんに行く。ネットで検索した感じ9時開店っぽかったんだけど、9時半過ぎに着いてみたらまだ開いてない。『10:00〜』と書かれた貼り紙は別に立ったままでも視認できたのに、わざわざちょっと身をかがめてまじまじと見てから「はぇ〜」みたいな声を出す。こんなふうに、自分は誰に見られていなくてもなんとなく《それっぽいリアクション》を取る癖がある。「せっかく早起きして来たのにお店が閉まってた」というストレスを、漫画や映画でよく見るやや誇張されたリアクションでくるんで、少し俯瞰でとらえることによってうまくいなしているんだと思う。
そういえば『安住紳一郎の日曜天国』のメッセージコーナーで、職場の若者に「はぇ〜」と相槌を打たれてジェネレーションギャップを感じたとのお便りが読まれていた。といっても苦言を呈する意図はないほんわかした文体で、安住アナも中澤アナも基本的に前向きに受け止めていた。「『はい』だと素っ気なく聞こえるときもあるし、『へぇ』だと他人事っぽい。『はぇ〜』はその中間って感じで結構いいかも」とのこと。自分も、明確に意識してはいないけどそういうニュアンスで言ってるなあ。
さておき、とりあえず開店まで時間をつぶすため近くのモスバーガーに入った。お店に入る直前まではスープくらいでいいかなと思っていたのに、メニュー表を見た瞬間に全部忘れてモスバーガーかてりやきバーガーかで悩む。少し前まではモスバーガーよりてりやきバーガーのほうが10円安かったはずだけど、いつの間にか軒並み値上げして同じ価格になっていた。それでもやっぱりてりやき。てりやき大好き。あとはオニポテ。オニポテ大好き。
食べているうちに10時を過ぎたので、モスを出てクリーニング屋さんに戻った。優しそうな中年女性の店員さんが椅子からぽんと立ち上がって迎えてくれる。「会員カードお持ちですか?」「いえ、初めて来たんです」カードを作るとクリーニング代が少しお得な会員価格になるらしい。今後もお世話になるだろうからと申込用紙に記名した。
さらに店員さんはわたしの肩越しに背後を指差した。「そこに貼ってあるQRコードからLINEの友だち登録をするとクーポンがもらえますから、よかったら」。ほほお、と頷いて従い、iPhoneで読み込んで画面を見せる。
「ここに表示されてる半額クーポンは、今日使うともったいないからそのままにしときましょう」「あ、そうなんですね。分かりました」「で、こっちのクーポンは有効期限が短いから、今日使っちゃうほうがいいです」「ふむふむ」「スクロールして、ここ押して、次にここを押して——」「はい、はい」「——で、使用済みにしてください」「しましたっ」「残りのこれとこれはまた今度使えますから、とっといてください」「はいっ」
わけもわからないまま一番お得になるように処理してもらった。とにかく手際がいい。
何割引、と表示されたレジの画面を見てもう一度「おお〜」と感心しながらお会計を終えると、店員さんは千円札くらいの大きさの紙を何枚も取り出してきた。
「さっきのは、LINEの友だち用のクーポン。これは、会員カードを作っていただいたお礼のクーポンです。こっちは100円引き、こっちはワイシャツ用、これはちょっと上等なクリーニングのお試し券」「はぇ〜……」「LINEのクーポンも含めて併用できたりできなかったりするので、次回以降もとりあえず全部持ってきて、レジで見せていただくのがいいと思います」「分かりました!」
最終的に、会員価格と割引でお安くなったうえに、大量のクーポンまでもらってお店を出た。言われるがまま全部お任せしてよかった。
鮮やかな手際のベテラン店員さんに出会うとめちゃくちゃ嬉しくなる。ぽんぽんぽん、とテンポよく進む最適化された流れにそのまま乗るのが気持ちいいし、こういう店員さんがきっと日本中にいるんだろうなーと思うとテンションが上がる。どんなに高難度の資格を持った人でも、どんな大金持ちでも、「クリーニング屋さんの新規客に一番お得なクーポンの組み合わせを提供する」部門じゃあの店員さんには勝てないでしょ。つまりあの店員さんは最強なんだよ。そういう最強店員さんが日本中のそれぞれのお店にいるってことだよ。楽しいね。