2023-05-02

「午前10時の映画祭」というプロジェクトがある。過去の名作映画を1週間〜2週間ごとに上映する取り組みで、「名前は聞いたことがあるけど観たことない」とか、「テレビでしか観たことない」といった作品を鑑賞するきっかけになる。

ラインナップは1年を一区切りとして入れ替わる仕組みで、今シーズンの個人的な目玉は『アラビアのロレンス』『バックドラフト』や『ショーシャンクの空に』、そして今週の『マイ・フェア・レディ』だ。今日は仕事はお休みで、遅くまで寝ていてもよかったんだけど、なんとなく朝早く目が覚めたので、思い立って映画館に行ってきた。

『マイ・フェア・レディ』の舞台は、階級意識も色濃い昔のイギリス。貧乏な暮らしを送る下級階層の花売り娘イライザは、下品で粗野な言葉遣いしかできず、なまりもひどい。美しいイギリス英語の調べを愛する言語学者のヒギンズ教授は、そんな彼女と出会い、自分の手にかかれば半年のうちに彼女の話し方をたたき直して、社交界デビューさせられると大口を叩く。不行儀だけれど純粋なイライザは、その言葉が忘れられず、翌日「立派な花屋の売り子になりたいんだ」と彼の邸宅の戸を叩く——。

いやあ、とっっっても面白かった。それに、自分が今まで面白いと感じたあの作品やこの作品は『マイ・フェア・レディ』に影響を受けていたんだ、と分かって感動もした。3月に観た『バビロン』にも、明らかに影響を感じさせる——というか、そのまんまオマージュと言っていいシーンがあったし。

そして、イライザを演じるオードリー・ヘップバーンの愛くるしさに何度もため息が出た。なんといってもあの外見だからチャーミングで美人なのは間違いないのに、ぎゃんぎゃんと下品な言葉を吐いてまわる姿はいかにも育ちが悪い風情で、こんなに幅広い演技をする人だったのかと驚いた。作中の台詞回しには、現代ではとても採用されないであろう表現も多くて「おお……」となったけど、そこはそれ。イライザに金をたかる父親は、ダメ男ながらも一貫した哲学を持っていてどこか憎めないし、イライザの味方として温かく接するピカリング大佐やヒギンズ夫人の人柄にはほっとさせられる。楽曲もどれも良くて、これは時代を超えて愛されるわけだと納得した。配信でもいいから、また観たいなあ。

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