2023-02-22

朝8時の飛行機で、沖縄へ。2泊3日の旅行!

沖縄に来るのは、2017年の5月以来、6年ぶり2回目。前回と違うのはやはり新型ウイルスの流行を経ている点で、レンタカーの料金がべらぼうに高くなっているらしく、今回は公共交通機関を利用して、アクセスのよい有名どころを巡ろうということになった。

那覇空港のコンビニで、ポークたまごおにぎりを買って、さっそくささやかな沖縄気分を味わいつつ、高速バスでホテルに向かう。わたしはいつも通り、出発前夜にぎりぎりで荷造りをやっつけたので、バスでの長い移動時間はむしろぐっすり寝られる良いひとときだった。まぶたが鈍く痛むほど寝た。

ホテルでチェックインを済ませて荷物を預けてから、すぐ隣のモールで買った黒糖タピオカミルクティーを飲みつつちゅうみ水族館へ向かった。いくらか観光客の数も戻りつつある印象で(かく言う自分らも戻ってきた観光客の1人だ)、皆マスク姿ではあるものの、結構にぎやかだった。

大水槽の前に立って、ゆったりと巨体を泳がせるジンベエザメをぼーっと眺めていると、何時間でも過ごせる気がしてくる。水族館の近くに住んでいたら、年間パスポートを買うのはかなり「あり」だよなあと思う。

もうひとつ印象的だったのは、マナティ。穏やかそうな目元丸っこい口元に愛嬌があって、平たい前足で水槽の底をつたい歩くような仕草が愛らしくて、なんといってもキャベツが大好きなところに癒やされる! こちらからは見えない角度で1頭が水槽の底を鼻先で探り続けているものだから、何があるんだろうと思いながら見守っていたら、のんびりと顔を上げたそのひげの先にキャベツのかけらがたくさん絡まっていて、思わず「あらあらあら……」と声が出た。あまりにも可愛い。

とぼけたような表情が忘れられず、売店でマナティTシャツを買った。淡いベージュの前身頃に、点とωオメガだけで描かれたマナティがたくさん泳いでいる絵柄。どの子も「?」と言っているみたいで、見ているこっちも気が抜ける。すごくいい買い物をしたと思う。

晩ごはんは、ホテルの近くの料理店に行ってみた。

観光客で埋まった店内には小さなステージが作ってあり、わたしたちが席について間もなく、三線さんしんを携えた男性歌手が登場して、軽快なトークを始めた。お客さんたちに積極的に話しかけて、距離を縮めてからライブに移るという流れらしい。鉄板のやり方だ。

でも、その口調はなんというか、言うなれば《フランク》と《失礼》の境界線上をぎりぎり綱渡りするような、危ういものに感じられた。初対面の人にそんな口の利き方を!?と思うような単語もちょこちょこ飛びだしてくる。プロの芸人さんならまだしも、うまく笑いに変えるには、わりと技術が要りそうな話の広げ方。ただ、言われた当人たちはけらけらと楽しそうに笑っていて、場の空気もずいぶんと盛り上がって見えるから、これはどうやら大丈夫なやつらしい。わたしの考えすぎなんだろうか。いや、でもこのノリでうちらにも話を振られたらちょっとあれだな。こっちが勝手に相手の言葉尻を気にして、この雰囲気をしらけさせてしまうかもしれない。ゴーヤーチャンプルーを取り皿によそいながら、それとなく連れと目配せしていたら、案の定というべきか、こちらにも声が飛んできた。

「そこの座敷のお2人は、どこから来たの?」

すかさず連れが答える。

「博多でーす」

おお、と客席から謎のどよめき。関東とか東北とか、もっと遠くから来ている人も多いはずなんだけど、博多という地名には不思議なブランド力があるらしい。

「博多ね、いいねぇ。新婚旅行ですか?」
「そうでーす」
「いつ結婚したの?」
「去年です」
「いいねぇ、おめでとう! はいっ拍手!」
「ありがとうございまーす」

ごく当たり障りのない応酬と、店内のお客さんたちからの拍手で、わたしたちのターンは終了した。歌手の方は「じゃあ次はそっちのテーブル!」と隣の家族連れを目でうながして、どこから来たの、と同じ質問を投げかけ始める。なんとなく胸をなで下ろしつつ、連れに「ありがとね」と、機転を利かせてくれたことへのお礼を伝えた。

なにを隠そう、わたしたちは福岡県から来た身ではあるものの、博多在住ではない。さらに言うと、新婚でもない。入籍したのは感染症禍に入る直前の、3年前だ。

ああいうのは場を盛り上げるためのやつだから、ぜんぶ律儀に答えようとしなくてもいいんだと思うよ、と連れはお店を出てから言った。結婚してから旅行らしい旅行ができてないから、新婚旅行代わりと言えばそうだし、全くの嘘をついてるわけじゃないから、と。

なるほどなあ、と思った。相手のトークの回し方がちょっと合わないからといって、自分が不快にさせられないかどうかばかりを気にして、一旦その場をそれなりに切り抜けるということまで頭が回らなかった。いつか必要な時が来たら、選択肢に入れよう。

ホテルは、特別に新しいというわけではないけれど、よく手入れが行き届いていて居心地がよかった。フローリングの部屋の中に、畳敷きの小上がりもあるのが素晴らしい。やったあ、となにげなく寝転んだら、一瞬のうちに寝入ってしまった。

起きたら夜中だったのだけど、隣の部屋から若者の声がけっこうな音量で漏れ聞こえてくる。朝まで耐えるには厳しかったので、フロントに電話をかけて、注意に行ってもらった。すぐに静かになったので、安心してぐっすり寝た。

1つ新しい日記へ1つ古い日記へ